フランスにおけるパートナーシップ登録手続きであるPACS(Pacte civil de solidarité)は、法的にパートナーシップを認識するための重要な手段です。もともとは、同性カップルのための制度だったようです。この手続きを通じて、カップルは法的にパートナーシップを確立し、さまざまな権利や責任を共有することができます。
本記事では、私が実際にフランスでのPACSの手続きにかかった期間、必要だった書類、反省ポイントなどを書いていきます。
- PACSに必要な書類
- パリでのPACSの手続きについて
1. PACSとは
PACS(Pacte civil de solidarité)は、フランスで1999年に導入されたもので、異性または同性の成人2人が一緒に暮らすための契約のこと。
法法律上のパートナーシップを形成し、同性間または異性間のカップルが法的な関係を確立することをできる。
もともとは、同性間の内縁カップルのためにできた契約のことです。
2. PACSの手続きの流れ
おもな流れは、必要な書類を役所に行って確認し、その書類に基づいて書類集めをしていきました。
私の場合の経験をシェアします。
今のタイミングでPACSをしようと思った理由
PACSはいつでもできるからと、のんびりしようと考えていました。が、PACSをして次にビザを申請するには6ヶ月間の期間が必要という記事を見つけました。参考になったnote
10月にビジタービザでフランスに来たので、次にビザを申請するのはビザが切れる2ヶ月前の8月の予定です。
6ヶ月間もかかるのかと思い、急いでPACSをする事にしました。8月にビザ申請する予定だったので、2月にPACSが完了する事を目標に準備しました。
手続きにかかる期間について
実際にかかった期間は、2ヶ月でした。ホリデーシーズンを避けたかったので2ヶ月かかりました。ホリデーシーズンを挟まなければ、1ヶ月ぐらいで手続きは終了してたかなと思います。
時系列で見るとこんな感じでした。
- 2023/12 ①日本から書類取り寄せ
- 2023/12 ②メイヤーオフィスに必要書類確認
- 2024/01 ③大使館に証明書作成依頼
- 2024/01 ④1週間後、大使館に証明書を受け取り
- 2024/01 ⑤メイヤーオフィスに書類提出
- 2024/01 ⑦メイヤーオフィスからメールが届く
- 2024/02 ⑧メイヤーオフィスに行きPACSをする
必要書類の確認
役所に直接行って必要書類を確認したのですが、フランスの公式ページからも必要な書類を確認する事ができます。
グーグルクロームからだと、サイトを日本語に翻訳してくれるので、日本語に翻訳して選択していきます。たまに日本語がおかしいですが、フランス語に戻して意味を確認しながら進んでいきます。
検索バーの右側に翻訳のマークが出ているので、そこをクリックします。
日本語では、シビルパートーナーシップとなっていますが、フランス語だと「Se pacser」になっているのでパックスを選択します。
せれぞれ該当する項目にチェックをつけていきます。
シビルパートーナーシップを締結するには〜の箇所をクリックすると、提出する書類を確認するというボタンが表示されます。
ここから、パートナーと自分の状況を入力する項目になります。
こちらにあなたもしくは、パートナーの状況を選択、入力していきます。
こちらの画面はフランス人のパートナーの情報を入力した画面になります。
次に、私自身の状況を選択していきます。こちら学生となっていますが、フランス語だと「Célibataire」独身という意味になります。
3. 必要書類の詳細
私の必要書類は、このようになりました。私のパートナーは一度結婚をしており、死別しています。なのでこのような必要書類になりました。
- パートナーの身分証明書
- パートナーの元配偶者の死亡証明書の完全なコピー
- 私の身分証明書
- 私の非 PACS 証明書(発行されてから 3 か月未満)
- 出生証明書(発行されてから6ヶ月未満)
- 非親族関係、非同盟関係、および共同居住の宣誓証明書を含む PACS の共同宣言
- PACS 契約
パートナーの身分証明書
出生証明書の提出は必要ないと記載があったのですが、念の為出生証明書を準備をしました。こちらには結婚している記載があり、死別の場合は離婚という記載はされないようです。なので書類上では結婚している状態になっていました。
パートナーの元配偶者の死亡証明書の完全なコピー
出生証明書には、離婚または死別の記載がないため、大使館で発行された証明書を準備しました。
私の身分証明書
パスポートのコピーを準備しました。
私の非 PACS 証明書(発行されてから 3 か月未満)
こちらのリンクからオンラインで取得することができます。非PACS証明書
私はパートナーにお願いして取得してもらいました。
注意!ログインする必要があるため、アカウントが必要です。
出生証明書(発行されてから6ヶ月未満)
慣習証明書が必要ですが、日本では慣習証明書がありません。
戸籍謄本と身分証明書を提出しました。戸籍謄本、身分証明書どちらもアポスティーユ印が押されたものを準備しました。
戸籍謄本・身分証明書は、戸籍がある市町村で取得する書類になります。書類が準備できたら次に、アポスティーユ印をもらうために、外務書に戸籍謄本・身分証明書を郵送で依頼します。依頼後、約1週間で郵送されてきます。郵送する際はレターパックを使用したので、レターパックを2つ準備しました。
アポスティーユの手続きは無料で行うことができました。
私の場合は、すでにフランスにいたので日本に住んでいる親に書類の手続きをお願いしました。
役所に行く際に、委任状を持っていき戸籍謄本・身分証明書を取得してもらい、次にアポスティーユ印を取得する手続きをしてもらいました。
次に、その書類をフランスまで送ってもらいました。
次に、在フランス日大使館に行き、フランス語の出生証明書(EXTRAIT D’ACTE DE NAISSANCE)および無破産証明書(CERTIFICAT DE NON-FAILLITE)の証明書を作成してもらいました。
また、日本にはPACSの制度がないことが記載されたレターも合わせてもらいました。
申請書はこちらからダウンロードこちらの慣習証明書リンクから確認できます。
証明書手数料については、戸籍謄本9ユーロ、身分証明書31ユーロそれぞれかかりました。手数料一覧についてはこちらの手数料リンクから確認できます。
非親族関係、非同盟関係、および共同居住の宣誓証明書を含む PACS の共同宣言
証明書を準備しました。それぞれ必要項目にチェックをつけて最後にサインをしました。
宣誓証明書のリンクはこちら宣誓証明書リンクから確認できます。
PACS 契約
証明書を準備しました。こちらも同じく必要項目にチェックをつけて最後にサインをしました。PACS契約書のリンクはこちらPACS契約リンクから確認できます。こちらの書類は、PACSの手続きが完了した後、受理された日付、スタンプ、受理された番号を記入してもらい、私たちで保管する書類になります。
必要書類が準備できたので、メイヤーオフィスに書類を提出してきました。
引っかかったポイント、彼が一度結婚していて、死別をしているが、出生証明書には離婚の記載がない。と言われました。
死別した際は、とくに記載がない様です。離婚した際は、相手の同意を得て離婚をしているので離婚と記載します。が、死別の際は、相手との同意で離婚していないので、特別記載はない様です。
PACS当日
書類を渡してから、3日後にPACSする日の案内がメールで届きました。私たち2人のアドレスを書いていたのですが、私にだけ通知が来ました。
PACSは毎週火曜と木曜と決められている様で、火曜日の9:40に来てくださいと書かれていました。
実際にメイヤーオフィスに行くと、約10分ぐらいで終わりました。個室に呼ばれて、担当者と提出した書類を一緒に確認し、PACSの共同宣言書の内容を一緒に読み上げたり、PACS契約書はメイヤーオフィスでは保管しません。などの説明を受けました。
最後に、PACSをしましたという証明書と、TAXのチラシをもらい終了しました。
TAXについては、また別で記事を書こうと思います!
4. PACSが成立した後のビザ手続き
フランスにはビジタービザで滞在しています。なので、次のビザはPACS滞在許可を申請しようと思っています。
次のビザ申請は8月の予定です。また、手続きについて記事を書いていこうと思っています!
まとめ
手続き完了するまでに2ヶ月かかりました。手続きを開始したのが、クリスマスシーズンだったので、少し時間がかかった気がします。
これからPACSの予定やメイヤーオフィスでの手続きを考えている方がいたら、ホリデーシーズンなどを避けて手続きをした方が良いと思います。
今日も最後までご覧頂きありがとうございました。